新収益認識基準における預り売上の会計処理

あまり伸びない新収益認識基準関係ですが、勉強の履歴として今日も残しておきたいと思います。今回取り上げるのは預り売上です。従来の基準では取り扱いが特に明記されていませんでしたが、新収益認識基準では請求済未出荷契約として会計上も取り扱いが整理されています。判断の要素が少なくなったことから分かりやすくなった預り売上の取り扱いについて見てみたいと思います。

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預り売上とその問題点は

預り売上の定義は、その名の通り出荷を伴わない在庫を保有した状態での売上高の計上となります。新収益認識基準では請求済未出荷契約という表現となっています。

従来の基準では、収益は財又はサービスを提供して対価を取得した段階で収益を認識することとなっており、新収益認識基準では財又はサービスを顧客に移転して履行義務を充足した時に又は充足するにつれて認識するとなっており。

したがって、通常の商品販売などでは商品の受け渡しが履行義務であると考えられるため、預り売上のような場合には、引き渡しをしていないにも関わらず売上を認識していいのかどうかが問題となります。

新収益認識基準における取り扱い

新収益認識基準では預り売上を請求済未出荷契約と定義し、以下の通り取り扱いを定めています。

77. 請求済未出荷契約とは、企業が商品又は製品について顧客に対価を請求したが、将来において顧客に移転するまで企業が当該商品又は製品の物理的占有を保持する契約である。

78. 商品又は製品を移転する履行義務をいつ充足したかを判定するにあたっては、顧客が当該商品又は製品の支配をいつ獲得したかを考慮する。

79. 請求済未出荷契約においては、会計基準第 39 項及び第 40 項の定めを適用したうえで、次の(1)から(4)の要件のすべてを満たす場合には、顧客が商品又は製品の支配を獲得する。
(1) 請求済未出荷契約を締結した合理的な理由があること(例えば、顧客からの要望による当該契約の締結)
(2) 当該商品又は製品が、顧客に属するものとして区分して識別されていること
(3) 当該商品又は製品について、顧客に対して物理的に移転する準備が整っていること
(4) 当該商品又は製品を使用する能力あるいは他の顧客に振り向ける能力を企業が有していないこと

159. 請求済未出荷契約(第 77 項参照)は、例えば、顧客に商品又は製品の保管場所がない場合や、顧客の生産スケジュールの遅延等の理由により締結されることがある。

160. 請求済未出荷の商品又は製品の販売による収益を認識する場合には、取引価格の一部を配分する残存履行義務(例えば、顧客の商品又は製品に対する保管サービスに係る義務)を有しているかどうかについて、会計基準第 32 項から第 34 項に従って判断する。

結構分かりやすく記載してくれています。79項で、預り売上(=請求済未出荷契約)については、4要件を満たした場合には顧客が商品または製品の支配を獲得する、すなわり履行義務を履行したという取り扱いになっています。

まとめ

以上をまとめると以下の通りとなります。

この記事で分かること!

✔ 預り売上は新収益認識基準において請求済未出荷契約として整理されている

✔ 請求済未出荷契約については4要件を満たした場合に収益を認識する

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