監査法人の副業って認められるの?

政府が働き方改革の一環で副業を推進し始めてから副業可の職場が増えています。監査法人に所属している常勤会計士は副業可能なのでしょうか?監査法人での副業についてその取扱いを見てみました。

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監査法人の副業は原則禁止

いきなり結論ですが、監査法人の副業は原則禁止となっています。

その理由については、業務に専念するためや公認会計士法の34条の14で社員には競業避止義務等があるためとしています。副業を禁止している会社の多くが本業に専念するための精力分散防止をあげていますので、監査法人もそれがメインの理由となっているものと思われます。

ただ、原則と記載している通り、例外的に認められている副業もあります。

認められる副業もある

監査法人の副業は原則禁止と書いたものの認められているものもあります。また、監査法人から許可をもらっていなくても、業務を邪魔しない範囲であれば許されるものもあるでしょう。法人が許可を出すものと法人許可外のものに分けてみました。

法人が許可を出すもの

法人の許可により認められる副業には以下のものがあります。

一部の税務業務

税理士登録して税務業務を行うことも一部の監査法人では認められているようです。私が所属する監査法人でも、法人の許可があれば、親族等やその所有会社に対して税務業務を提供することが可能となっていました。

ただ、正直周りで税務業務をやっている人は聞いたことありません。その一番の理由は、社内の承認を貰うのが難しいという点にあるのかと思います。承認貰う際に、どうしてその業務を実施しないといけないのか理由は聞かれるでしょうし、税務業務の副業ができるくらいなら監査法人の本業をもっと頑張って欲しいという監査法人側の要望もあるでしょう。

ただ、ある程度年次の進んだ会計士であれば税務業務の相談を受けることはあるのではないでしょうか?私は周りに自営業の人間が多いということもあり、税務業務はできないのかと聞かれることがあります。チャンスがあるので個人的にやってみたいなと思いましたが、やはり法人の許可を取るのがハードルではあります。

余談ですが、昔のパートナーはこの税務業務をよくやっていたと聞いたことがあります。

講師業務

受験専門予備校で講師をするのではなく、大学等で講師を行う講師業務です。基本的に法人の営業時間内で行うため、副業というか本業の一環のような気がします。しかし、従業員本人が講師業務を取ってくるケースがあるらしく副業に分類しているそうです。監査法人としてもCSRの一環として行っているという事情もあるのでしょうか。

ただ、営業時間内に行うことから報酬は全て法人に入金だそうです。これでは副業とは言えないですよね・・・。

出版

監査法人が出版する本に執筆者として本を書くというものです。また、経営財務等の専門誌に記載する記事を書くこともあります。営業時間内にできる、ほぼ無報酬(もしくは法人に入金)という点で講師業務と似ています。ただ、本人にお金が入らない以上これも副業とは呼べないでしょうか。

株式投資及び投資信託

いわゆる株式や投資信託への投資は条件付きで認められています。

会計士は、その業務の性質上から企業の機密情報に触れる機会が多く、株式投資がインサイダー取引となる可能性があります。そのため、監査法人に所属している会計士は、保有している証券会社口座及び保有している銘柄等を全て監査法人に報告することが求められています。逆に言うと、報告さえすれば保有することが認められていることから、投資に関する副業はある程度認められていると言えます。

ちなみに、投資を認めるかどうかは法人によりけりのようです。大手監査法人の一部では、投資先が監査クライアントであるかどうかに関係なく、投資を行うことを全く認めていないところもあると聞いています。

法人の許可外のもの

ここまでは法人の許可をもらって行う副業でしたが、許可を貰わずに行う副業もあるかと思います。いくつか見てみました。

FX

FXとはいわゆる外貨取引のことですが、株式投資と違いFXについては監査法人への報告が特に求められていません。外貨取引にインサイダー取引の概念がなじまないからでしょう。

株式投資が禁止されている反動からかFXをやっている会計士は多い印象があります。レバレッジかけて大きく投資している人もいますし、ドル円の動きで悶絶している先輩・後輩を見かけることもあります。

不動産投資

親から引き継いだ不動産で大家業をやっている人などたまに聞きます。これも副業と言えますが、監査法人が駄目と言える性質のものでもありません。そのためある程度黙認されています。

個人的には会計士に一番なじむ副業ではないかと思います。マンションやアパートを購入するにあたって借入が必要ですが、会計士の属性を利用すればある程度借入を行うことができること、時間がとりにくい会計士にとっても一度仕組みを作ってしまいさえすれば、細かく管理しなくても成り立つことなどが理由です。

Uberとか?

最近はやりのUberですが、Uberに限らずバイトをやっている会計士は聞いたことありません。会計士の給与水準から言うとなかなかバイトをやろうと思えるものがないのでしょうか。

コンサル業

自分でコンサル業をとって副業でやっている人をまれに聞きます。本当にまれです。ただ、これは監査法人にばれると怒られるのではないでしょうか。土日などの営業時間外ならいい気もしますが。

最後に

色々書きましたが副業がばれて怒られている会計士を私は聞いたことがありません。

そのことからも、副業は原則禁止と言いつつも、本業に影響を及ぼさない程度の副業は黙認しているのだと思います。たぶん。

ただ、最近は確定申告の際にマイナンバーの記載が必要となっており、従来以上に所得の一元管理を進めているものと思われます。そのため、あまり所得が多くなりすぎる副業を行った場合、住民税の通知等で監査法人にばれる危険性があるのではないでしょうか。といっても、副業を認めるのが社会の流れではあるので、今後監査法人が副業を認めることは大いにあると思います。

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