先日ネットの記事を読んでいると兵庫県に中小事業再開支援事業の給付金なる制度が存在することを発見しました。条件を満たしたら購入したものに対して最低で10万円がもらえる制度となっており、適正に利用するとお得な内容でしたので調べてみました。
兵庫県中小企業事業再開支援事業の給付金がすごい!【10万円から】
兵庫県中小事業再開支援事業の概要は?
そもそもどういった制度なのでしょうか。
制度趣旨
制度趣旨は以下の通りです。
新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言対象区域の解除に伴い、社会経済活動が再開されたことから、中小法人・個人事業主の皆様を対象に、従業員の労働環境確保のために取り組む接触感染や飛沫感染の拡大防止にかかる経費に補助金を支給します。
つまり、新型コロナウイルス感染症拡大の対策のため支出した経費に対して補助金を支給するものです。
なお、当該制度自体のHPは以下の通りとなります。
給付金
気になる給付金の金額は以下の通りです。
個人事業主でも最低10万円、中小法人なら20万円からもらえる制度となっています。
区分 | 中小法人 | 個人事業主 |
県内に1事業所の場合 | 20万円 | 10万円 |
県内に2事業所の場合 | 40万円 | 20万円 |
・中小法人の定義は以下の通りです。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
・また、給付金の申請のためには給付金以上の支出が必須となっています。
つまり、中小法人で県内に事業所が1つの場合、給付金20万円をもらうためには、20万円以上の支出を行う必要があります。仮に15万円しか支出していない場合、実費がもらえるわけではなく、そもそも申請を受け付けてもらえないこととなります。
補助の対象
補助の対象となるものは以下のものとなります。
ただ、兵庫県のこの制度の優れていることは、その対象の幅広さだと思います。具体的には以下のものが認められています。
内容 | 補助対象経費の例 |
資材費 |
○従業員のためのマスク ○消毒液 ○消毒液用スプレーボトル ○除菌ウエットティッシュ ○漂白剤 ○衛生手袋 ○空気清浄機のフィルター ○その他除菌効果のある資材 |
設備・備品購入費 |
○サーモグラフィー ○非接触型体温計 ○飛沫感染防止対策のためのアクリル板 ○透明ビニールシート ○パーティション ○従業員や顧客に感染防止を呼びかけるための告知に必要な掲示ボード ○空気清浄機 ○加湿器(空気清浄機能付き) ○エアコン(換気や空気清浄、除菌機能付き) ○扇風機 ○サーキュレーター ○除菌の状況を確認するための機器 ○消毒液等を生成する機器 ○足踏み式消毒液スタンド ○キャッシュレス決済機器 ○テレワーク導入のために必要な費用(パソコン、タブレット、WEB カメラ、モニター、マイク、ヘッドフォン、スピーカー、Wi-Fi ルーター、専用システム等購入費〔月額払いは期間内のみ対象〕、インターネットや電話回線導入費や初期契約費、初期設定費) ○塾や各種教室等で導入するオンライン授業で使用する講師が使用するパソコンや WEB カメラ ○飲食店等におけるセルフオーダー用タブレットまたはセルフオーダー用タブレットとシステム導入費のセット(システム導入費単独は不可) |
改装・修繕工事費 |
○事業所内の換気設備の導入工事(換気や空気清浄、除菌機能付きエアコンを含む) |
委託費・外注費(4月7日から9月30日までの分) |
○事業所の消毒作業委託に要する経費 |
リース料(4月7日から9月30日までの分) |
○空気清浄機、換気設備のリース料 等 |
印刷費 |
○感染防止対策済みであることを告知するためのチラシ、ポスターの印刷費(自身で製作する場合の、インク代、用紙代、黒板やホワイトボード購入費も対象) |
色々対象となりますが、パソコンまで対象となっているケースはレアだと思います。後述する京都府はパソコンだけでは補助金支給の対象とならないため、兵庫県の制度はこの点が優れているのではないでしょうか。
なお、令和 2 年 4 月 7 日から令和 2 年 9 月 30 日の間に発注(契約)、納品、支払した経費のみが対象となる点は注意が必要です。
必要書類
応募に必要な書類は以下の通り。特に難しいものはないかと思います。
以下の必要な書類をそろえてレターパックで以下の神戸市の住所に送付します。なお、持参するのはダメとありますので注意です。
〒650-8761 神戸市中央区中山手通 兵庫県中小企業事業再開支援金事務局あて
書類名 | 注意点等 |
申請書 | このHPからダウンロード |
代表者本人の確認書類の写し | 法人代表者または個人事業主本人のマイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険証等の写し |
確定申告書の写し | 直近の確定申告書(1枚目)の写し |
事業に係る経費のレシート | 補助対象経費を支払ったことを証するレシート、領収書の原本 |
振込先口座の通帳の表紙見開きページの写し | 振込口座の名義人は、申請者(法人代表者または個人事業主)と同じ名義人に限る |
応募期限
申請書の受付期間は、令和2年6月30日(火曜日)~令和2年9月30日(水曜日)となっています。
更に申請額が予算枠の上限に達した時点で終了するとありますので、早い者勝ちです。
Q&Aの中から気になったもの
事務局のHPにQ&Aがありますが、その中から気になったものをいくつかピックアップしてみました。
なお、原文が見たい方は以下のHPから確認できます。
質問 | 回答 | ポイント |
創業後間もない事業者は申請できるか? | 令和2年9月30日までに開業届を提出すれば可能 | 今から開業する会社でも可能となっています。 |
同一の代表者が2つ以上の会社を経営しているが申請可能か? | 別会社であれば、それぞれで申請可能 | ただし、同一の領収書を用いての二重申請は不可です。 |
対象経費は? | 従業員の安全を確保する観点から、明確に感染防止対策のためといえるものを申請してください。 | 水や浄水器等の明らかに感染防止と言えないものは除外されています。 |
発注(契約)、納品までは事業期間内(R2.4.7~2.9.30)にできるのだが、クレジットカード払いのため、口座引き落としまでに時間がかかり、10 月1日以降になってしまうが対象になるか。 | 対象外です。 | 厳しいですが、クレジットカードの場合、令和2年9月30日までに口座から現金が落ちたことを証明する証憑が必要となっています。 |
領収書・レシートは原本が必要か? | 必要です。 | ネットから購入した場合にはプリントアウトしたもので良いようです。 |
領収書・レシートに商品一式としか記載されておらず、何を購入したか証明できない | この場合、申請が不可 | 購入先に記載してもらうようにしましょう。 |
ポイント払いでも申請可能か? | ポイント以外の申請者負担金額のみ申請可 | ポイントは使わない方が無難です。 |
電子マネーでの支払いの場合申請は可能か? | 可能であるがお勧めしない。
ポイント以外の申請者が負担した金額が明記されている領収書(原本)が発行されていなければ補助できない。 | Q&Aが難しかったのですが、電子マネーはポイント扱いとなっている(申請対象外)様にも読めます。現金で購入した方が無難でしょうか。 |
ちなみに他の都道府県にも・・
かなりお得な兵庫県の中小事業再開支援事業給付金ですので私も申請したいと思います。
ちなみに同じような給付金は関西の他の都道府県にもあります。なお、営業短縮や営業停止に協力した形での補助金ではなく今後の投資に対する補助金に限定して探してみました。
意外に大阪府では見当たりませんでした。探せていない可能性があるため、見つけ次第更新したいと思います。
京都:https://www.pref.kyoto.jp/shogyo/news/saisyupatu.html
和歌山:https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/060100/d00204230.html
他にも兵庫県の給付金はこういったものがあります。
兵庫県中小企業事業再開支援事業の給付金を利用した営業についてはこちら
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