会計監査人設置会社(大会社)の判定基準はいつ?

「n期の期中に増資を行った結果、n期の期末日に資本金が5億円を超えているのですが、当該事業年度(n期)から大会社となり会計監査人による監査が必要ですか?」と最近聞かれました。

結論としては当該事業年度(n期)は会計監査人による監査は不要となり、翌事業年度(n+1期)から会計監査人による監査が必要となります。今日はその会社法上の理屈を調べてみました。

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目次

会計監査が必要となるのは大会社

会社法328条及び436条によると、大会社については会計監査人による監査が義務付けられています。

(大会社における監査役会等の設置義務)
第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。
(計算書類等の監査等)
第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。
2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。
一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人
二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)
引用:会社法

そして、大会社の定義は会社法2条より、最終事業年度における貸借対照表の資本金が5億円以上、または、負債の部に計上された金額が200億円以上となっています。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。
ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。
引用:会社法

そのため、まず会計監査人による監査が必要となるのは会社法上の大会社のみとなります。

では、大会社の判定はいつ行うのでしょうか。

大会社(会計監査)の判定はいつ行うか

大会社の判定もは会社法2条6号によると「最終事業年度」に行うとされており、最終事業年度の定義は24号に規定されています。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。
ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。
二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第435条第2項に規定する計算書類につき第438条第2項の承認(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。
引用:会社法

4号でいう最終事業年度は、計算書類につき438条第2項の承認を受けた場合における当該各事業年度うち最も遅いものとされています。

438条第2項の承認とは定時株主総会における計算書類の承認を指しています。

したがって、定時株主総会で、資本金5億円または負債200億円以上となった貸借対照表が承認された段階で大会社に該当することとなります。

一番最初のケースで当てはめると、n期の期末日に初めて資本金5億円を超えると、n期の定時株主総会で初めて5億円超の資本金が記載された貸借対照表が承認され、n+1期から大会社となり会計監査人による監査が必要となるのです。

まとめると、

会計監査人による監査が必要となるのは

✔ n期の期中で増資してn期末の資本金が5億円を超えた場合

✔ n期は大会社に該当せず会計監査人による監査が不要

✔ n+1期は大会社に該当し、会計監査人による監査が必要

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