自己株式取得の効果

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自己株式取得の効果は何か??

少し前に2020年も半分終わりましたが、2020年度はコロナウイルスの影響を受けて業績の悪化、更に業績の悪化を受けて株価が下がっている会社が多いようです。

実力以上に株価が下落していると会社が判断した場合に自社株買いを行う会社は多いですが、今年に限っては会社にその体力すらもありません。そのため2020年度は自社株買いを減らしている会社が増えているようです。

受験時代はよく勉強したこの自社株買いですが、改めて自社株買いの効果を勉強してみました。

この記事で分かること!

✔ 自己株式取得(自己株買い)の意味

✔ 自己株式取得(自己株買い)のメリット

✔ 自己株式取得(自己株買い)のデメリット

そもそも自社株買い(自己株式の取得)とは?

そもそも自社株買いとは何なのか。自社株買いとは、企業が発行した株式を、その企業が買い戻すことを言います。

この自社株買いですが以前は会社法により禁止されていました。その理由は主に以下の通りです。

自己株式が禁止されていた理由

①出資の払い戻しと同様であり資本維持の原則に反する

②取得価格によっては株主平等の原則に反する

③会社支配に利用される

④株価操縦の可能性がある

①については自己株式を取得することは実質的に株主に対して保有している株式の払い戻しをしていることから資本維持の原則に反しているという内容です。

②つ目は取得する価格によっては株主間で不公平となる可能性があるものです。

③つ目④つ目は自己株式を取得する会社の取締役会側に不正に利用される恐れがあるとするものです。

しかし、以下に述べるさまざまなメリットがあること、また上記についてもそれぞれ個別に対応することでその問題点を解決できることから、一律に禁止するのではなく一定の条件の下、自己株式の取得を認めるよう2001年に会社法が改正されました。

そんな自己株式取得のメリットやデメリットは以下の通りです。

自社株買いのメリットは?

メリット1:株価を支えたり上昇させる効果

会社が自社株買いを行う意思決定をするということは、現在の株価が経営陣が評価している株価よりも低いと考えていることとなります。そのため株価を上昇させる効果が期待できます。

また、単純に市場に対する需要が増えることからも株価を上昇させる効果が期待できます。自社株買いを行う一番の理由はこの株価であることが多いと思います。

メリット2:ROEが上昇する

ROE(Return on Equity)とは当期純利益/自己資本で産出され、自己資本に対してどれだけ利益を獲得したか表す指標となり、パーセンテージで表現されます。

自己株式は実質的に資本の払い戻しであることから、会計上、自己資本のマイナスとして処理されるため、自社株買いを行うと自己資本が減ります。分母である自己資本が減ることから利益が変わらないのであればROEは改善することとなります。

ROEが改善することは投資家に対してポジティブな指標となるため、株価に対して一定の効果があると考えられます。

メリット3:ストックオプションに利用できる

ストックオプションとは株式会社の従業員や取締役が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利です。

市場の株価がストックオプションで取得する株式の定められた価格よりも高ければ、売買時にその差額が従業員や取締役の利益となることから、ストックオプションは通常従業員や取締役のインセンティブ制度として利用されます。

ストックオプションを付与するには株式が必要となることから、その目的で自社株買いを行うことがあります。

メリット4:敵対的買収の防衛策となる

そのため、大株主が自社の株式を処分する際に会社が望まない誰かに取得されれば、その議決権行使により敵対的買収につながる可能性があります。

しかし、自己株式については会社法上その議決権が停止されます。そのため会社が自社株買いを行えば議決権が停止されることから敵対的買収の防衛策となります。

自社株買いのデメリットは?

一方でデメリットも存在しています。

デメリット1:自己資本が弱くなる

上述の通り自己株式は会計上資本のマイナスとして処理されるため、自己資本が弱くなります。

そもそも自社株買いが旧商法で禁止されていたのも、自社株買いは実質的に資本の払い戻しの効果があり、会社の資本が弱くなると債権者を保護できなくなるためという理由がありました。

会社法改正により自社株買いは認められていますが自己資本が弱くなるというデメリットは未だに残っています。

この様なデメリットがあるため、会社法では自社株買いの財源に上限を設定することで自己資本が弱くなりすぎないよう歯止めを欠けています。

デメリット2:資金が必要となる

自社株買いは市場等で自社の株式を取得するため単純に資金が必要となります。株価の上昇や維持を目的とするのであれば一定以上の金額で自社株買いを行う必要があるためです。

また、資金を投資するということはその分他への投資が減ることとなるため、その分他へ投資した方が会社にとって良い結果となる可能性もあります。

また、投資である以上必ずしも希望した効果が得られない可能性があるというのもデメリットと言えばデメリットでしょうか。

最後に

上記の通りメリット・デメリットがありますが、会社が自社株買いをプレスリリースした場合、株価に一定程度影響を与えるのは確かです。

他にも株価に影響を与える施策として配当がありますが、単純に配当を行った場合には現金が社外流出するのに対して、自社株買いの場合は自己株式が会社に残ります。

直接的な施策としては配当が行われるケースが多いですが、残った自己株式を有効利用できる案があれば、自社株買いを選択するケースも多いようです。

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