新築ワンルームマンション投資は儲かる?業者の営業を受けてきた

悩んでいる経理

新築ワンルームマンション投資って儲かるの?

不動産投資でよく聞く新築ワンルームマンション投資は儲かるのでしょうか?

筆者が実際にマンションデベロッパーの営業を受けて来ましたので、その内容を踏まえて儲かるのかどうかをまとめています。

この記事で分かること

・新築ワンルームマンション投資とは?どんな物件を紹介されるのか?

・ぶっちゃけ新築ワンルームマンション投資って儲かるの?10年後どうなるの?

(スポンサーリンク)

目次

新築ワンルームマンション投資とは?どんな物件を紹介されるのか?

新築ワンルームマンション投資とは?

そもそも新築ワンルームマンション投資とはどういった投資なのでしょうか。

新築ワンルームマンション投資とは新築ワンルームを購入して入居者に賃貸して収益をあげる投資のことをいいます。

そのため住居用ではなく投資用として新築ワンルームを購入することとなります。

今回はそんな新築ワンルームマンション投資業者の説明を受けてきました。

紹介されたのはどんな物件なのか?

今回は東京の中堅デベロッパー会社に面接を申し込み物件を紹介してもらいました。

紹介された物件の概要は以下のとおりです。

紹介された新築物件

価格:3,200万円

広さ:25㎡

場所:世田谷区

距離:駅から徒歩10分 最寄駅から新宿まで電車で10分

家賃:月10.5万円(管理費等込)

営業の方が仰っていましたが、最近は新宿、渋谷、池袋といった副都心へ電車で10分程度のところにマンションを建てて販売するケースが多いようです。

これは、中央区、千代田区や港区といった都心は地価の高騰が激しく、投資マンションとしては収支がはなから成り立たないことが理由の様です。

また、今回はサブリースではなく管理を委託して賃借人を見つけるパターンとなっています。

次にこの物件で実際にシミュレーションしてもらった結果を見ていきたいと思います。

新築ワンルームマンション投資って儲かるの?10年後どうなるの?

10年後のシミュレーション

まずは私の属性をもとに借入条件を以下のとおり算定してもらいました。

購入代金及びローン概算

購入価格:物件3,200万円+諸費用170万円=3,370万円

借入額 :3,200万円

金利  :1.2%

融資期間:35年

諸費用170万円は購入時の登記費用、火災保険料やローン手数料等で、これは借入ではなく自己資金からの支出となります。また、金利は会社、社歴といった属性や年収により決まるようです。

更に毎月の収支は以下のとおりです。

上記を踏まえた結果、10年間のシミュレーションは以下のとおりです。

新築ワンルームマンション投資は儲かるか?

上記をみて皆さんはどう思いましたでしょうか?

私は、正直これで儲けるのは厳しいなと感じました。

その理由は以下の通りです。

・累計支出と売却額の比較で儲かる絵が想定しにくい
・そもそも10年間当初の家賃が継続する等の見通しが甘い

一つずつ解説します。

累計支出と売却額の比較で儲かる絵が想定しにくい

累計支出を見てみると、10年後の残債が約2,450万円、当初出資が170万円、10年間の支出合計が約40万円で累計支出は約2,700万円程度となります。

そのため、10年後に少なくとも2,700万円以上で物件が売却できないとトータル収支がマイナスになります。売却時の税金を加味すると少なくとも2,800万円程度が損益分岐点でしょうか。

サイトなどで調べてみると10年物の同条件のマンションは2,500万円~でありました。当然10年後にもっと値上がりしている可能性もあれば、価値が下落している可能性もあります。10年後の売却額に不確実性が強いのは難点でしょう。

まとめると、

毎年の支出が赤字であるため売却益で儲ける必要があるが、将来の売却額に不確実性が多く、勝ちパターンが見えにくい。

そもそも見通しが甘くないか?

私が1つ目の理由より強く思ったのがこの2つ目の理由です。

そもそも月次の収支等の見通しが甘くないのか?という点です。例えば以下のような要因です。

・家賃に新築プレミアムは無いのか
・10年間経過しても同じ家賃を継続できるのか
・10年間1か月も空室期間がない想定は現実的か?

それぞれ解説します。

1つ目は、新築プレミアムの存在

新築プレミアムとは、2人目以降の入居者は新築ではなくなるため家賃が減少することを意味します。

最初の入居者の家賃は上記の価格で行けるかもしれませんが、2人目以降も同水準で貸すのは難しいのではないでしょうか。

2つ目は、10年間経過しても同じ家賃を継続できるのか

また10年後も同じ家賃というのは少々現実的ではないと考えられます。実際、10年物の同じようなマンションの家賃を調べたところ、9万円から9.5万円程度でした。

家賃も他の条件も同じであれば、新築が好まれるのは当然です。逆に言うと、他の条件が同じなのであれば10年物は新築より家賃を下げないと入居されないということです。

3つ目は、10年間空室期間が0というのは現実的なのか?

もらったシミュレーションでは10年間の空室期間が0か月でした。10年間埋まりっぱなしです。ワンルームとなると一般的な社会人が入居することになると思いますが、社会人の平均入居期間は2~3年程度のはずです。10年間の間で何度か入れ替わりもあるでしょうが、空室期間完全0というのは新築でもなかなか難しいのではないかと思いました。

これらの理由から、新築マンション投資で儲けるのは中々難しいのではないかと思いました。もちろんこれは私個人の感覚なので実際に儲かっている人もいるでしょうか。

では最後に勝ちパターンがあるのか?見てみました。

新築ワンルームマンション投資で勝てるパターンはあるか?

最後にどういったケースであれば新築ワンルームマンション投資で儲かるのか考えてみました。

正直なところ普通に保有しているだけでは厳しいのではないかと思います。

しかし、今回の商品はローン金利の中にがん団信分の金利が上乗せされているようです。

がん団信とは、がんと診断されたら住宅ローンの残債が0円となる商品のことをいいます。

そのため、将来的にがんにかかるリスクを思えば保険代わりとして保有しておき、がんにかかり残債が0円となれば、この投資で勝てる可能性はあるかもしれません。

いずれにせよ普通に保有するだけであればなかなか儲かるというところまで行くのは難しそうでしょうか。

以上、「新築ワンルームマンション投資は儲かる?業者の営業を受けてきた」という記事でした。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大手監査法人に勤務している会計士です!
会計基準、株式や不動産投資などのお金に関する情報を発信しています。

目次