IPO(Initial Public Offering)により上場を目指している会社は、少なくとも直近2年間の財務諸表については監査法人による財務諸表監査が必要となっています。財務諸表監査を受けるために様々な準備が必要となりますが、今日はそんなIPO関連業務を独立してから受嘱している会計士の話を記載したいと思います。
独立した会計士が受注している業務

独立した会計士が受注している会計監査関連のお仕事は以下のとおりです。
財務諸表作成のお手伝い
財務諸表監査を受けていない日本のほとんどの会社は、税法基準、具体的には法人税法の規定に準拠して財務諸表を作成しています。これはほとんどの会社が税金納付目的でしか財務諸表を作成していないためです。
しかし、財務諸表監査を受けるためには日本において一般に公正妥当と認められる会計基準(JGAAP)に準拠して財務諸表を作成する必要があります。そのため上場を目指す際には、まず税法基準からJGAAPへと基準を変更して財務諸表を作成する必要があります。
しかし、日本の会計基準は複雑化しておりある程度会計に精通したものではないとJGAAPに準拠した財務諸表の作成は難しいものとなっています。そこでJGAAPに精通している会計士が財務諸表の作成を引き受けるということがあります。
内部統制の3点セット作成のお手伝い
IPOして3年ほど経つと内部統制報告書に対して監査を受ける必要がありますが、そもそも上場の時点で適正な内部統制を整備・運用する必要があります。
財務諸表作成のために最低限必要な職務分掌や承認制度を設けて、その統制を行うために必要な人材を整備する必要があります。
そのためにいわゆる3点セット(RCM、業務記述書、FC)を作成する必要がありますが、これらの作成にはある程度専門的な知識が必要とされます。そこでその作成に関与する業務を引き受けることがあります。
開示書類である1の部や有価証券届出書作成のお手伝い
決算を締めたとしてもそれで終了ではありません。作成した決算書を財務諸表の開示書類である1の部や有価証券届出書として作成する必要があります。最終的にはこの1の部や有価証券届出書に対して監査法人の監査報告書が発行されるためです。
しかし、これらの開示書類にも細かいルールが多いため会計士の専門的知識が必要とされることがあります。そのためそういった業務を引き受けるのです。
以上が、独立した会計士が受嘱する可能性のある業務一覧でした。