少し前ですがあずさ監査法人でCPE取得に関して不正があったという記事がありました。何をやったのでしょうか。内容を見たいと思います。
会計士がCPE取得に関して不正受講が発覚
日経新聞の記事によると以下の通りです。
あずさでは2014年に自宅端末などから職場と同じ環境で作業できる「仮想デスクトップ」を導入した。オンラインのeラーニングで二重にログインして、2つの講座を同時に受講できるようになっていた。今年3月に内部通報があり実態を調査。同時受講の可能性がある会計士が6年間で延べ83人見つかった。
あずさは同時に受講した研修は両方とも単位を認めないとして単位を取り消すなど再算定した。その結果、法令や会則に定められた単位に満たない会計士は延べ45人に上った。役職者であるパートナーを含み、複数年にわたって不適切行為をしていた会計士もいた。
引用元:日本経済新聞
本来1時間に1単位しか認められないところ、二重ログインして2単位取りにいったということでしょうか。その結果、3年間で120単位取る必要があるところ、この単位数に満たない会計士が45人出てきたようです。しかも、その中には監査報告書にサインするパートナー会計士もいるようです。
結構な一大事です。アクセスログ取られてばれるという意識は無かったのでしょうか。
これを受けて各関係者の対応も見てみました。
あずさ監査法人の対応
日経新聞によると以下の通りです。
あずさ監査法人では、今年5月にシステムを改修し、現在は同時にアクセスできない仕組みに変え、当該会計士については、減給などの懲戒処分にすることを検討しており、高波博之理事長ら役員10人の報酬をカットする方針を決めたということです。
引用元:日本経済新聞
該当会計士は懲戒処分の様です。当然でしょうか。役員も給与カットになってしまうのですね。該当のパートナーとか職場でかなり気まずい思いしているような気がします。自業自得と言ってしまえばそれまでではありますが。
ちなみにあずさ監査法人のサイトでも公表されていました。
日本公認会計士協会の対応
日本公認会計士協会もサイトでプレスを行っていました。また、朝日新聞によると以下の通りです。
7日夜に会見した日本公認会計士協会の手塚正彦会長は「会計士制度の根幹をなす研修を怠ったのは極めて遺憾だ」と語り、協会として他の監査法人にも同様の不正がなかったのか調べる考えだ。不正を繰り返し悪質な場合は、金融庁の行政処分を受けて会計士の登録を抹消される可能性もあるという。
引用元:朝日新聞
会計士登録の抹消もあると記載していますが、さすがにそこまでの処分は無い気もします。追って処分が出るでしょうから、また確認したいと思います。
金融庁の対応
監督官庁である金融庁のコメントは特に見当たりませんでした。会計士協会がコメント出しているので、そこでの対応で終わりなのでしょうか?
もしサインしているパートナーの会計士登録が抹消となった場合、過去に発行している監査報告書の取り扱いはどうなるのでしょうか?上場会社の場合は複数人でサインしているケースが多いため、すぐさま監査報告書が無効になるということはないのかもしれません。ただ、上場会社以外の会社では単独で監査報告書にサインしているケースも想定されるため、その場合の取り扱いが気になるところです。
ちなみに私は大丈夫です。ちゃんと研修受けています。